2015/09/15

「煎り上手」 コーヒー焙煎のコツ


非電化工房の「煎り上手」という焙煎器でコーヒーを焙煎するようになって5年。試行錯誤の末に辿り着いた僕のやり方をご紹介します。

基本的には焙煎器に豆を入れてガス台の中火の上で12~13分くらい振るだけです。問題は1回に煎る豆の量と、焙煎度合いです。

まず豆の量はというと、「煎り上手」の説明書には50~60gと書いてありますが、僕は1回に100g焙煎しています。なるべく1回でたくさんの量を焙煎したいと思っていろいろやってみた結果100gくらいならいけることが判りました。150gでやると豆が溢れ出ます。150gでも煎り始めのうちは問題無さそうなんですが、焙煎すると豆が1.5倍くらいに膨らむんですね。150gの豆が膨らんだ状態で振ると穴から豆がこぼれます。120gくらいならいけるかもしれませんが、今のところ豆を100g単位で買っているので、100gでやってます。

なお、100gの生豆を焙煎すると、体積は随分増えるんですが、水分が飛ぶので重さは90g弱に減ります。生豆100gの焙煎を2回やると、我が家の1週間分のコーヒーになります。

焙煎器の振り方ですが、100gでも「煎り上手」の説明のように左右に振るのでは豆がこぼれ出ることがあるので、左右ではなく円を(水平に)描くように振ります。丸く並んでいるコンロの火をなぞるような感じで、1秒間に2回転くらいのペースです。僕は最初右手でしかうまく振れなかったのですが、ガスコンロに向かって右後方にあるテレビを見やすいように左手で振るのを練習して、左手でも振れるようになりました。 ゆっくりでもいいので、手を止めないことが大事です。サボると焼き具合がムラになります。



次に焙煎度合いですが、「煎り上手」発売元は中火から強火で3~5分と言っていますね。僕も最初はそれでやってみましたが、今までに飲んだことのない野性味のあるコーヒーになります。昔アラブの偉いお坊さんが飲んだコーヒーはこういう感じだったのかなと想像させる味です。それはそれで趣きがありますが、産地ごとに違う豆の個性を最大限に活かす焙煎にはならないと思います。

そういうわけで、火力は中火です。10分近く振っていると、プスプス、パンパンと豆がはぜる音がしてくるのが「1ハゼ」。それが終わってしばらくするとピシピシと高い音で豆が割れるような音がします。これが「2ハゼ」です。2ハゼになるとツンとする匂いの白い煙も出てきます。

1ハゼが終わっていったん静かになったくらいが浅煎りの「ハイロースト」で、酸味と香りが強い状態。2ハゼが始まった直後くらいが、バランスのとれた標準的な焙煎度合いの「シティロースト」。2ハゼがピシピシとピークに達したあたりが深煎りの「フルシティロースト」で、苦味とコクが強い状態。その前後にもいろいろな焙煎段階がありますが、普通はこの3段階にコントロールできればオーケー。まずはシティローストを覚えるのが基本です。

だいたいは1ハゼ、2ハゼの音が目安になりますが、豆の見た目の様子を見るのも大事です。ハイは乾いた状態でややオレンジがかった茶色。シティは乾きもせず濡れもせず、これぞコーヒーという濃い茶色です。フルシティは油分が出てきてツヤツヤした焦げ茶色。ミルクチョコ→普通のチョコ→ビターチョコという感じで覚えてもいいかもしれません。

目標の焙煎具合になったら火を止めてすぐに豆をザルに移します。僕は園芸用の直径30センチ、網目5ミリのザルを使っています。豆と一緒に薄皮が出てくるので、ザルで振るい分けます。ザルは流し台のシンクで振るってもいいですし、広げた新聞紙の上でもいいでしょう。振るっただけでは細かい薄皮しか取れないので、豆が飛び出ない程度に上下にザルを動かすと、大きな薄皮が飛んで出ます。



焙煎した豆の保管にはプリンが入っていたフタ付きのガラス容器とカップ酒のフタ付きガラスコップを使っています。焙煎した豆の状態だと、常温で2~3週間は大丈夫みたいです。冷蔵庫に入れると、出したときに結露するので、常温で。粉に挽いてしまうとすぐに飲まないと香りが無くなりますね。

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