2009/08/09

「十二人の怒れる男」 (1957)


陪審員制度を題材とする'57年のアメリカ映画。裁判員制度の開始に触発されて、うちの奥さんが宅配レンタルの無料お試しキャンペーンで借りた。

今年一番の暑さだという日に、裁判が終わった後、12人の陪審員が冷房も無い会議室に缶詰にされる。殺人事件の有罪無罪を決めるのだが、全員が一致するまで延々と議論しなくてはならない。'50年代のアメリカにはクールビズという概念はなく、暑いのにネクタイもはずさない。ポロシャツにネクタイの男もいる。シャツに汗がにじんでくる。もちろん嫌煙権という言葉もなく、タバコは吸い放題。地獄みたいな部屋である。

12人全員が白人男性であるのは何か理由があるのだろうか。それはともかく、怒鳴り合いの喧嘩みたいになっても、最終的には理性的に判断できるアメリカの一般市民は偉いもんだ、これぞ民主主義、というような話。

議論をしていくうちに形勢が変わっていく過程が面白いし、各自の生い立ちとか家庭の事情とか偏見が露になっていく構成もなかなか良くできていて、なるほど名作だと思う。でもよく考えると、陪審員がこんなにうまく謎解きをすることは無いだろうなと思う。

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