村上春樹のデビュー以来の未発表の文章やら受賞の挨拶やらを集めたもの。結構分厚い本だが、短い文章が多くて、当然ながらテーマも文体も一貫していない。音楽でいうとシングルB面集。あまり入り込めない。でもちょっとずつ読んでいくと、いろいろ面白いところもある。
心身の左右のバランスが崩れたときは、ピアノでバッハの二声のインベンションを弾くと良いという話があった。僕も高校生の頃に練習したが、左手がうまく動かなくて歯痒くなり、終いにはこんな左右均等な変な曲を作りやがってとバッハに腹が立ってきたものである。春樹さんはバッハのことを天才だが相当変な人だったんだろうなと書いているが、僕もそう思う。
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