2009/11/03

「素晴らしきラジオ体操」 高橋秀実 (小学館文庫)


子どもの頃、夏休みには早起きして公園でラジオ体操をした。小学校の途中で引っ越した先では、夏休みのラジオ体操を8時にやることに違和感を覚えた。8時だとラジオの放送は無いから、ポータブルプレイヤーでレコードをかけるのである。何となくニセ物のラジオ体操をしているような気がした。

それ以後はラジオ体操とは無縁に暮らしていたのだが、うちの奥さんがラジオ体操好きで、僕は一時期、朝起こされてテレビのラジオ体操に付き合わされた。そのおかげで朝寝坊人から早起き人に改造されたのである。奥さんはラジオ体操の音声をiPodに入れていて、会社の同僚と昼休みに会議室で体操していたこともある。知らないうちに僕の携帯にもその音声ファイルが入れられていた。おかげで、いつでも気が向いたときにラジオ体操ができる。

さて、そのラジオ体操というやつはどこから来たのか。この本はラジオ体操の起源から現状までを綿密に取材した話。ラジオ体操は、逓信省の簡易保険事業の収支改善のために、逓信省の役人が役員を務める日本放送協会を使って体操を普及し、慢性病を減らして死亡率を下げようとしたのが起源である。さらにそのモデルはアメリカにあった。

著者は朝の公園を巡ってラジオ体操に参加する。ラジオ体操人になぜラジオ体操をするのかと問うと大概「ラジオ体操は毎日するものだから」と答えるそうである。他にもいろいろ面白いことが書いてあった。

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