「Goin' Home」がなかなか良かったので、同じ時に録音された「Tete-A-Tete」も聴いてみる。「Goin' Home」と同じくゆったりしっとりした雰囲気だが、こちらの方がちょっと明るい感じがする。
「The Way You Look Tonight」という曲は最近どこかで聴いたなと思ったら、
「Surf Ride」にも入っていたのだった。ペッパーは'52年のデビュー作と'82年の遺作で同じ曲を演奏しているわけである。聴き比べているうちに、グレン・グールドを思い出した。グールドは
'55年のデビュー作と
'81年の遺作で同じ「ゴルトベルク変奏曲」を演奏している。
ジャズ・サクソフォニストとクラシック・ピアニストという違うジャンルの音楽家である2人だが、同時期に活動して、同じ'82年にどちらも脳溢血で亡くなった。同じようにデビュー作と遺作でスタンダード曲を演奏していて、デビュー作はモノラル録音で演奏は軽快、遺作はデジタル録音で落ち着いた演奏。曲は全然違うが、デビュー作と遺作の対比はすごく似ていて面白い。音楽というのは時代を反映しているのだなあ。そして、深く極めた人は同じようなところに到達するのだなあ。こういうのをシンクロニシティというのだろう。
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