2007/01/17

「バッハ:ゴルトベルク変奏曲('55)」 グレン・グールド


歴史的名盤といわれるグールドのデビュー盤を聴いてみる。バッハというと抽象的な感じがするが、グールドのバッハは全然違って、なんかものすごいエネルギーで弾いている。指の筋肉の瞬発力が尋常じゃないのだろう。粒の揃った歯切れの良い16分音符とトリルが怒涛のように流れ出す。歯切れ良すぎて、ピアノがチェンバロみたいな音になっているのが面白い。

グールドはこの曲を分析して「いかなるクライマックスも解決もない音楽」といっているらしい。なるほど、だからバッハは浮世離れした感じがするのか。逆に普通の音楽はクライマックスや解決があるわけだ。その方が音楽の進行方向と我々の日常生活における時間軸が一致する、ということか。

グールドのCDではこのバッハ以外にモーツァルトとブラームスも持っているが、僕が一番気に入ったのはモーツァルト。でも何を弾いてもグールドは独特で面白い。グールドさんの極端な緩急強弱のつけ方は、楽譜の指定を大げさに表現しているのか、独自の解釈で自由にやっているのか、どっちなんでしょうか?

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