2009/06/04
「Kind of Blue (Legacy Edition)」 マイルズ・デイヴィス (2009)
ジャズの頂点というべきアルバム。今年はリリース50周年なのでCD2枚+DVDという特別なバージョンが出た。オマケは没テイクやライブ音源、別のレコードで発表された同じメンバーの曲、テレビ番組のスタジオライブ映像など。Kind of BlueのCDは持っているけど欲しくなって買った。
目あてはDVDである。Kind of Blueを称える番組みたいなのは冗長。昔のスタジオライブは良い。アメリカのテレビでは50年前にこんなカッコイイものをやっていたんだなあと感心する。でもマイルズはこの頃も人種差別を受けていたのだ。
Kind of Blueは知的でクールでカッコ良くてどうみても傑作なのだが、「マイルス・デイヴィス自叙伝」を読むと、本人は失敗だったと言っている。子どもの頃に聞いたゴスペルのフィーリングを再現しようとしたのに、まるで違うものになってしまったから、ビューティフルだが失敗なのだという。思い通りにいくことよりメンバーの創造性を優先した結果である。ジャズの本質は即興ということにあるから、「思い通り」のものができてもしょうがないわけか。
マスターテープの不具合でA面3曲のピッチがおかしかったという話がある。'92年頃から正しいピッチのCDが出始めたようだが、僕が持っていた古い方のCDと今回買ったものを聴き比べてみると、たしかに新しい方がちょっとだけ音が低い。音質も少し良くなっている。
このCD+DVDセットを真剣に聴いたせいで、久しぶりにジャズがマイブームになった。最近ジャズばかり聴いている。ジャズはイヤホンじゃなくてスピーカーで聴きたい。スピーカーからジャズが流れるとジャズ喫茶にいるような気がしてくる。
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