2009/02/18

「サブリミナル・インパクト」 下條信輔 (ちくま新書)


潜在認識について認知神経科学的に考えている。面白い。

我々はなじみ深さ(親近性)を好む傾向と目新しさ(新規性)を好む傾向の両方がある。それらは矛盾するようだが、親近性は潜在レベル、新規性は意識レベルの好みに現れるのである。なるほど!

我々はコマーシャルや政治的な情報操作により潜在認識に働きかけられコントロールされている。マクドナルドの椅子が硬いのは、座り心地の悪さによって身体に働きかけて客の回転を早くするためである。それに対抗するには座布団を持っていけばよい。現代社会に溢れるメディアや広告の様々な働きかけに対して座布団的な対処が必要なのだ。

独創性を発揮するには全体の状況をよく分析し、しっかり把握してから忘れることが大事だ、とか。だいたい僕の考えと同じだなあと思うが、よく考えたらこの人の前著「サブリミナル・マインド」は小脳論の参考文献に挙げていた。

この本の主張によく似た話は昔、栗本慎一郎がしていた。要するにマイケル・ポランニーの暗黙知を認知神経科学で裏付けていくという話なわけである。

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