2008/03/10

「虫眼とアニ眼」 養老孟司・宮崎駿 (新潮文庫)


表現の世界で大成功した、手先が器用で偏屈、という共通項のあるオヤジ2人の対談。人間と自然の関係についての問題意識を共有しているので話はだいたい共振していて楽しそうである。タイトルどおり2人とも視覚の人だからイメージが豊かだ。「もののけ姫」や「千と千尋」について、作者の考えも少し分かる。

基本的には「最近の世の中は...」というグチだが、結論としてはオビに書いてあるとおり「お先真っ暗だが、だからこの世は面白い」ということ。奥田民生がアルバム「Fantastic OT9」の「カイモクブギー」という曲で「無茶だけれども、それはそれでフリーダム」と言っているのと同じだ。

宮崎駿が考える「老人の町」についてのイラスト・エッセイというのが20ページもある力作で、宮崎アニメ世界を現実化しようと妄想している。これだけ緑の多い町ならたしかに良い。

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