2007/04/27
「ダブル ドライブ」 井上陽水奥田民生 (2007)
前作「ショッピング」が出てからもう10年にもなるのか。10年前というと、ちょうど僕がいろいろ悩みつつ「小脳論」を書いた頃で、自分も世の中も結構暗かった。時代状況を反映して「ショッピング」は地味で渋めの曲が多かった。歌詞も日常の世界をややシュールに描いていて、暗い世の中を生き延びることについてさりげなく示唆的だった。
それに較べると今回はかなりポップな曲が多くて、明るくお気楽な感じがする。何曲か女声コーラスも入っている。歌詞は日常生活を離れてヨーロッパやら砂漠やら南の島やら世界各地に飛び、シュールさの度合いもややアップしている。
前作の「アジアの純真」では「これからは中国との関係が重要になるでしょうね」と宣言していたが、今度は「京都に電話して」という曲で「世界中が日本文化に注目してるよね」と陽水さんが言っている(ように僕には聞こえる)。
「アジアのジュンシン」は撥音(ン)を並べた歌詞だったが、「キョウトに電話して」は拗音(ャュョ)を多用している。この2曲の歌詞は言葉の響きを優先した自由連想法で作られていて、どちらもアルバムのメッセージの鍵になる曲である。...ような気がする。
ビートルズ・フォロワーなのは相変わらずで、曲の半分くらいはビートルズっぽいが、他にもいろんな雰囲気の曲を自由にやっている。ジャック・ジョンソンみたいな曲もある。歌詞も相変わらず意味を捉えにくい曲が多いが、よく判らないがゆえに何度も聴きたくなる。サウンドも単純そうで隙がなく、古そうで新鮮。いくら聴いても飽きない、かなり面白いアルバムだと思う。
それにしても「MOKKO」って何? 全然わからん。
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