2007/03/21

「スクールデイズ」 ロバート・B・パーカー


ボストンの探偵「スペンサー」シリーズの33作目。年に1作のペースだから33年も続いているわけである。僕は25年くらい前から読んでいる。スペンサーももう還暦に近いんじゃないかと思うが、相変わらずタフだ。まるで「あぶさん」だ(と思って調べたら、どちらも1973年スタートだった)。

スペンサーが引き受けるトラブル解決の顛末を読むことで、アメリカの社会問題をいろいろと知ることができる。スペンサーが扱った問題はしばらく経って日本でも起きるのである。たとえば日本でストーカー犯罪というのが社会問題になる何年か前に、スペンサーの恋人スーザンがストーカーに遭っていた。

この本でスペンサーが扱うのは高校で生徒が銃を乱射した事件だ。スペンサーは乱射事件の背後に隠れていたある問題を発見する。つい最近それに似たようなことが日本でも起きた。スペンサーが扱ったトラブルが日本で問題になるまでの期間は、昔は10年くらいだったが、だんだん短くなってきて今回は1年くらいだ。日本がアメリカに近づきつつあるのだろう。

ところで、この作品から訳者が変わった。前の訳者は直訳調でちょっとヘンだったので最近は原書ペーパーバックを読んでいたのだが、新しい訳者に期待して読んでみた。スペンサーの口調がなんかヤワになったような気がしてあまり気に入らなかった。

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