2006/10/11

「THE INFORMATION」 ベック (2006)


かなり面白い。ノリがよくてポップなうえに、思い付きを切り貼りしたようにいろんなことをやっているので飽きない。いろんなアイデアを詰め込んでいるわりに脱力感があって良い。傑作だと思う。

ヒップホップ的な曲の間に時々ビートルズみたいな曲が出てくる。特に最後の曲は「リボリューション9」だろう。違う曲で同じフレーズを使ったりしてトータルアルバムなところもビートルズだ。

その繰り返し出てくるフレーズというのが、ハービー・ハンコックのヘッドハンターズに入っている「カメレオン」の「ブッ、ブッ、ブッ」の真似である。僕も最近ハンコック師匠を再評価しているところだったので共感。

このCDのジャケットは何も書かれていない方眼紙の模様で、付属のシールを自分で貼ってデザインするようになっている。やってみるとなかなか楽しい。あまり関連性のないいろんな絵柄のシールを貼っていると、コラージュという作業が体感できて、ベックの音楽のコラージュ的な作り方がちょっとわかったような気がした。

ところでUS盤には標準でDVDが付いていた。日本盤のDVD付きは値段がUS盤の2倍くらいする。ぼったくりにもほどがある。

DVDにはCD全曲分の映像が入っている。音源はCDと同じのようなので、CDは無くてもいいくらいだ。その映像というのがまたナンセンス、シュール、サイケデリックな、つまりビートルズ的なのである。しかもビートルズと同様に面白くない。そう思って飛ばし飛ばし見ていたら、ビートルズのパロディのバンドが出てきて、そこだけちょっと面白かった。

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