2006/10/18

「夢助」 忌野清志郎 (2006)


キヨシローの歌い方は独特でかなりクセがあるが、発音が明瞭なので何を言ってるかがとてもわかりやすい。もしかすると、あの独特の声色は聞き手に歌詞を確実に届かせようとしている結果なのかもしれない。とにかくこれくらい言葉をはっきり歌っている歌手はなかなかいない。

今回はその言葉というのがすごくストレートで素直にラブ&ピースを訴えている。元気な曲もしんみりした曲も結構直球勝負で、感情に訴えるものがある。

このアルバムはオーティス・レディングのお仲間であるスティーブ・クロッパーがプロデュースしてナッシュビルで録音されたとのこと。「オーティスが教えてくれた」という曲もある。なんかどこかで聞いたことがあるような雰囲気の曲が多いと思ったら、オーティス・レディングへのオマージュってやつなんですね。オーティス・レディングのベスト盤をアマゾンで試聴してみたら、知ってる曲もいろいろあってなかなか良かったので買おうと思う。

バックの演奏はさすがアチラのミュージシャン、上手い人がシンプルなことをやってて余裕がある。「温故知新」という曲もあるくらいで、復古的にシンプルである。今風なところは全く無い。ボブ・ディランの新譜にも通じるものがある(あそこまで渋く枯れてないが)。音も自然な感じでいい。ちょっと軽い、乾いた音。

たまにノドが苦しそうに聞こえるところがあるのだが、気のせいだろうか。歌手としてはかなりピンチな状況だったのだろう。

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