2006/09/25

「富の未来」 アルビン&ハイジ・トフラー


僕は20年くらいまえにトフラーの「第三の波」と「未来の衝撃」を読んでものすごく感心した。トフラーは、現代社会が脱産業化して、核家族や正社員のフルタイムの仕事や画一的な教育や民族国家までもが「崩壊」すると予測していた。

今の世界はかなりトフラーの言ったとおりになりつつある。「富の未来」でも基本的には「第三の波」と同じことを言っているのだが、昔の予測が実現しつつある事例が豊富で説得力がある。これから先もまだまだ激しい変化があるようで、大変だ。

読んでいると、僕が経済や社会について言っているのと同じことがたくさん出てくる。僕は自分なりの道筋で一所懸命考えたつもりだったが、辿りついたところはトフラー師匠の掌の上だったのだった。

科学技術の進歩に対して楽観的過ぎるんじゃないかと思いつつ読んでいたら、悲観するための材料は山ほどあるが悲観ばかりしていないで考えよと戒める文章まで書いてあった。恐れ入りました。

今我々がどこにいて、どっちに向かえばいいのかを考えるために絶対必要な地図みたいな本だ。この前の「パワーシフト」はあまり印象に残っていないが、今回は面白かった。

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