2016/11/18

「Novel 11、Book 18」 ダーグ・ソールスター(村上春樹訳)


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エリート官僚の人生がだんだん変な方向にそれていって...という話。主人公は自意識過剰な空疎な人格で、エリート官僚にありがちな内面を戯画化しているようにも思える。主人公に共感できないうえ、リアルタイムに描写しているのか過去を振り返っているのか曖昧な語り口の三人称文体が落ち着かない。ずーっと不吉な気分が漂っている。途中で読むのがイヤになり、最後の3割ほどは斜めに読んでしまった。

僕は村上春樹の訳した小説をいろいろ読んだが、面白いと思ったのは「ギャツビー」と「キャッチャー・イン・ザ・ライ」と「ロング・グッドバイ」だけで、つまり古典的名作の新訳だけということになる。それで、村上翻訳本にはもう付き合わないことにしていたのだが、久しぶりにこれはちょっと面白そうだなと思って読んでみたのだが、やっぱりダメだった。

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