2015/11/22

「We Get Requests」 オスカー・ピーターソン


村上春樹が「村上さんのところ」で、良い音のオーディオとは?という質問に対して、「We Get Requests」のレイ・ブラウンのベースの音がしっかり再生されることと答えていた。ググってみると、ジャズ好きの間では音が良いことで有名な名盤のようだ。聴いてみると確かにスバラシく音が良い。

音楽の録音が良いというのは、簡単にいうと各楽器の音が鮮明で、楽器ごとの音量や残響のコントロールが適切ということだ。僕がいろんなレコードやCDを聴いた経験で思うには、録音の良いアルバムは演奏も良い。録音は悪いけど演奏は良いというのはいくらでもあるのに対して、録音が良いけど演奏はダメというのは聴いたことが無い。

昔から、なんでそういうことになるのか考えているのだけど、演奏者に対する期待というのがまずあって、そこに優秀なレコーディング・エンジニアの技術とモチベーションと、機材と時間が投入されているということなんだと思う。そういうわけで、録音の良いレコードは名盤であるという法則が成り立つ。

さて、内容はタイトル通り、ファンのリクエストで選ばれたスタンダード曲をピアノトリオで演奏している。うまくて楽しそうに弾いている名演なのだが、ピーターソンはテクニックに余裕があり過ぎて、やや細かい技をひけらかしているようにも聴こえる。ちょっとクドイ。抑えめに弾いている曲は文句無しに良い。

ちょっと気になるのは、「コルコバード」と「イパネマの娘」というボサノバの曲を小節の頭にアクセントをつけたリズムで演奏していること。ボサノバじゃなくなっている。ボサノバのリズムが嫌いなのかな。

ともかくリラックスして気持ち良く聴けるアルバムであることは間違いない。いくら聴いても飽きない。

 → 音の良いCDリスト

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