2011/05/02

「心を整える」 長谷部誠


サッカーは日本代表の試合しか見ないので、長谷部選手のことを詳しくは知らないが、マジメそうな印象がある。本を読んでみても、そのとおりだった。ハセベは「突出したテクニックを持っているわけでもない自分が生き残って来られたのはナゼか」と時々考える。周りからはよく「運が良いね」と言われる。でも、それはちょっと違う。では何なのかと考えてみると、「心を整える」ということに尽きるのだという。

それでメンタルについての「自己啓発書」という売り文句が付いているわけだが、編集者がそういう体裁に仕立てているだけで、中身は自伝的エッセイである。心が落ち着いた状態でいられるように、いつもいろいろなことに気を配っていることがわかる。一日の終りに30分間、心を鎮める時間を作る。何が起きても心が乱れないように、常に最悪の状況を想定している。日本政府のエラい人たちにも見習ってもらいたい。

「あえて難しいと思った方を選択する」というのは岡本太郎と同じだ。長谷部君によると、難しい道ほど自分に多くのものをもたらし、新しい世界が目の前に広がるのである。僕はだいたい楽な方を選択するので、意見が異なるわけだが、器の大きさで負けていることは否めない。なかなかのナイスガイである。面白かった。

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