book1、2では知らない世界に連れて行かれていろいろびっくりしたが、今回は帰り道だから新しい景色に出会わない。この収束する感じは「ねじまき鳥」第3部のときとはちょっと違う。book1、2で膨らんだ世界が縮んで行くような話で、読むのが楽だった。
しかし例によって1回読んだところでは、書いてあることが判っただけで、その意味はよく判らない。作中の小説『空気さなぎ』のように、ただのファンタジー小説のように見えて実は社会的な効果を狙っているのかもしれない。あるいは、ユングの『塔』について書かれているように、個人の意識の分割と展開を示唆する曼荼羅として書いたのかもしれない。
今回一番印象に残った比喩は「長い貨物列車が鉄橋を渡り切ることができるくらいの時間をかけてようやく小便を終える」というもの。
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