2007/10/22

「走ることについて語るときに僕の語ること」 村上春樹


村上春樹がなぜ走るのかについて書いているのだが、ひとことでいえば長編小説を書くための体力作りに走っているわけである。村上さんは作家になったのと同時に走り始め、毎年フルマラソンを走っているそうだ。この本は作家になって以降の自伝みたいなものである。

今までのエッセイに断片的に書かれていた話も多くて、あまり目新しい内容はない。音楽でいうと過去の曲を録音しなおしたベスト・アルバムのような雰囲気だ。そういうのもそれなりに面白いものである。文体は今までの村上朝日堂エッセイのお気楽な雰囲気ではなく、何かリアルに迫ってくるものがあった。

ところで、僕は20年くらい前に探偵スペンサーと村上春樹の影響でジョギングを始めたことがある。10時ごろに会社から帰って寮の食堂で夕食を食べてから、近所の川沿いの暗い道を4キロ毎晩走った。会社で地下のロッカーから4階の居室まで階段を駆け上がっても息が乱れないようになったが、1ヶ月ほどで膝が痛くなって挫折した。

それ以来めったに走らなかったのだが、この本を読み終わったら妙に走りたくなって1キロほど走った。やっぱり膝が痛くなってきたので帰りは歩いたのだった。

0 件のコメント:

コメントを投稿