「おいしい」も「痛い」も幻想だった、というのが副題で、帯には「意識のクオリアも五感もすべては錯覚だった!!」と書いてある。だいたい僕の考えていることと同じである。例によって映画「マトリックス」の世界に言及している。
「マトリックス」的世界観は21世紀の認識論の基本だ。
全ては幻想であるということを軽い文体で科学的にわかり易く書いていて面白かった。僕の考え方と似ているところも多い。著者はロボットの研究者で、工学的観点から認識論を考えているうちに「全ては幻想だ」という結論に至ったようだ。そういえば僕もロボットの研究者になりたくて大学の機械学科に行ったのだった。
全てが幻想であるというのは著者の発見ではなくて、もっと昔にブッダが言っている。著者も今では釈迦の悟りが理解できるといい、人生論、幸福論を語り始める。言ってることはだいたいそのとおりだと思うのだが、何かちょっと短絡的なところがあるような気もする。
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