2006/12/25
「大公トリオ 他」 ルービンシュタイン、ハイフェツ、フォイアマン (1941)
村上春樹の「海辺のカフカ」に出てくるベートーヴェンの「大公トリオ」とシューベルトのピアノトリオ曲。クラシックのピアノトリオというのはピアノ・ヴァイオリン・チェロなのか、ふーん。1941年録音なので音はそれなりである。最初のうちは無声映画(チャップリンとか)の背景音楽に聞こえた。音質のせいもあるが、ヴァイオリンのビブラートが強いせいで古い感じがするのだと思う。それと、ピアノの音が遠いのがちょっと気になる。
こういう音楽を真剣に聴いたことがなかったので、どう聴いていいのかわからなかったが、たしかそういう質問に対して村上春樹が「曲を覚えるくらい聴くことです」とか言っていたような気がする。5、6回聴いたらだんだん覚えてきて、なるほどちょっと良さが判ってきた。楽器が3つだけだからポピュラー音楽ばかり聴いてきた耳でも聴きやすい。曲も意外に変化に富んでいるし、演奏は文句なくうまい。これは「海辺のカフカ」の登場人物が言っているとおり聴き飽きない。
ピアノのルービンシュタインとヴァイオリンのハイフェツは凄い大御所らしいが、チェロのフォイアマンも気鋭の若手だったようだ。でもこの録音の翌年に急逝したとのこと。ビル・エヴァンズ・トリオのベース、スコット・ラファロみたいなものか。ピアノとヴァイオリンはほっといても聞こえるので、チェロを意識して聴くようにしてみるとバンド(?)全体をうまく把握できるような気がする。
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