2006/05/10

「盾シールド」 村上龍


うーん。吉本ばななも推薦してたので買ってみたが、どうもピンと来ない(だから吉本ばななに対する評価も下がった)。言ってることは大体わかるのだけど「シールド」というコンセプトは何か違うと思う。僕自身のことを考えると「自分の心の中心にあるやわらかく傷つきやすいもの」なんか守ったりしていない。それはプライドというヤツなのではないだろうか。シールドというと新しい概念のようだが、プライドを言い換えただけじゃないだろうか。 作者はより安全なシールドとは何か、というようなことを考えているみたいだが、シールドなんか持とうとするとリラックスできないような気がする。問題はいかに脱力できるかである。

「おわりに」と称して作者が解説みたいなものを書いているのもいただけない。解説が必要になるのは作品自体で語り尽くせていないからである。

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