2006/01/22

「The Beatles Anthology」 DVD


僕は30年前(14歳)からのビートルズファンで大体のことは知っているのだが、メンバーの回想インタビューと過去の映像の編集が良くできているし、演奏シーンもたっぷりあって楽しめる。

ステージ衣装は最初革ジャンだけど、レコードデビューしてからはほとんどスーツなんだな。それもズボンがすごく細い。あれはビートルズ流なのか、当時のスタイルなのか? ビートルズのアルバムでは後の方のヤツが好きだったのだが、このDVDを見て初期のロケンロールなアルバムもちゃんと買い揃えようと思った。

アメリカに行って大ヒットし、ワールドツアーに出て、英国王室から勲章をもらうあたり、ビートルズの周りの世界は大騒ぎになっているが、本人たちはかなりクール。ビートルズが成功した最大の要因は歌がすごくうまいことと4人とも明るくてユーモアのセンスがあることじゃなかろうかと思うが、当時の熱狂の本当の原因は彼らにあるのではなかったように見える。あの頃の世界にはもともとエネルギーが溜まっていて、ビートルズはそれに乗っただけなのかもしれない。

その後、ビートルズはライブツアーをやめてしまう。彼らはライブが好きなのだが、どこに行っても観客の叫び声で何も聞こえないし、聞こえないからいい加減な演奏をしてしまってもばれないし、そういう状況が続くと技量も落ちる。ホテルに缶詰の生活も面白くない。それでツアーをやめるわけである。レコーディングも凝り始めたのでステージでの再現が難しくなったという問題もあり「これからはスタジオがステージだ」ということになる。

一方、プロモーションのために各地のTV番組に出演しにいくのも手間なので、曲を紹介するフィルムを作って放送局に送り届けた。これがプロモーションヴィデオというものの始まりである。

それから、ライブをやらないかわりに架空のバンドを設定してレコードを作ることをポールが思いついて、サージェントペパーが生まれる。ジョンによると、あのアルバムは世界初のコンセプトアルバムと言われているが、コンセプトといえるのは最初と最後だけであとは実は関係なく、無理やりコンセプトアルバムと宣言しただけなのだそうである。なるほど。

さてそれから、マネージャーのブライアン・エプスタインが死んで、インドに修行に行ったり、ヨーコが現れたり、リンゴとジョージが1週間ずつぐらい脱退したり、だんだんドタバタが激しくなって解散してしまう。

4人はもともと仲良く寝食を共にしてきたが、この頃からツアーをやめたりみんな結婚したりして自分の世界を持つようになってきたのだな。30歳も近いし、まあいわゆる青春の終わりですね。

ビートルズ時代の映像でもそうだが、「アンソロジー」製作時のインタビューを見ると、ポールがかなり仕切り屋キャラであることがわかる。解散についてはヨーコが悪者にされた時代もあったが、ポールのリーダーシップも逆効果だったみたいだ。

それにしても例の屋上ライブはいいなあ。警官が来ても「逮捕されたらされたで、映像としてサイコーじゃないか」みたいなことを言ってて感心。ビートルズが初めてやった野球場とか武道館のライブは今では当たり前になってしまったが、屋上コンサートは誰も真似しない。無料サービスだからか。

0 件のコメント:

コメントを投稿