2006/01/07

「マネーを生みだす怪物」 G・エドワード・グリフィン


副題は「連邦準備制度という壮大な詐欺システム」。連邦準備制度(FRS)はアメリカの中央銀行で、日本でいうと日銀だが、FRSはアメリカの公的機関じゃないというからビックリ。著者はFRSはアメリカの銀行のカルテルであって、公共の利益に反するし、経済を混乱させ、戦争を助長するから廃止すべきであるという。

廃止してどうするかというと、ドルを兌換紙幣に戻すべきだというのである。そうすればドル紙幣を無限に刷ることはできなくなる。インフレやバブルが発生しなくなり、戦費を簡単に調達することができないから戦争もやりにくくなる。著者は「金または銀の裏づけなしにマネーを発行するのは憲法違反だ」と指摘する。

日本人が働けど働けどハッピーにならないのは「実質的に価値のあるものに交換できない」ドルを溜め込んでいるせいだから、我々にも関係ある話だ。仮にドルが兌換紙幣に戻ったら、アメリカはドルを無限に刷って外国製品を買うことができなくなり、輸出に頼る日本経済も短期的には困ったことになる。でも長期的にはその方が良さそうだ。

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