2006/03/21

「キラーストリート」 サザンオールスターズ (2005)


僕はサザンはわりと好きなのだが、なぜかアルバムを買う気にはあまりならず1990年に出た「Southern All Stars」と「稲村ジェーン」という内容のダブッた2枚だけしか持っていなかった。このキラーストリート2枚組み4200円も買わないつもりだったが、アマゾンで初回限定DVD付きバージョン在庫放出セールというのをやっていて、2700円は安いと思ったので買った。

クワタの曲は昔から一貫して60年代ロック・ポップの引用が多い。このアルバムでも日本のグループサウンズみたいなチープなアレンジがあり、ビーチボーイズやフィル・スペクターを拝借した曲もあれば、ビートルズもある。そうやって同じところをグルグル回っている。それであまりCDが欲しくならないのだ。

奥田民生もものすごく引用が多いが、タミオは同じところを回っているんじゃなくてだんだん深く掘り進んでいるような気がする。新譜が出るたびに新しい局面が見られて面白い。そこが全然違う。

クワタは売れ線のポップな曲を作らせたら日本一である。キラーストリートの中にもそういう曲が一杯入っている。聴いていて楽しいことは楽しい。タミオはそういう曲を敢えて書かない。それは自分の表現の幅を狭めることになるからだという。クワタはそういう曲を書く立場を引き受けているから同じところをグルグル回ることになる。それはそれで偉いとは思う。

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